会えないけれど電話を掛けて

2020年3月9日月曜日

【プレイ日記2020】 ★ロイヤルと裸足の魔女編 カー家 マジカル後継者世帯

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こんにちはー。

本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
ついに謎のハーブの正体を突き止め、瞬間移動の法則を掴んだロイヤル。彼はユキちゃんに「わかったこと」を報告します。しかし、ロイヤルに訪れつつある奇妙な異変に、ユキちゃんは不安を感じていて……?

それでは、本日もまいりましょう!




時間は、午後。
場所は、ウィンデンバーグのバー。いわゆる、ロイヤル坊っちゃんのバイト先です。

今日の勤務を終えた坊っちゃんの許に、一本の電話が掛かってきました。携帯電話の着信画面を見た坊っちゃんが、ちょっとびっくりして眉を上げました。

ロイヤル「一族の屋敷から掛かってきてる……!あ、ポーラ姉さんかな?おれが調査を頼んでたことについて、何かわかったのかもしれない。……はい、もしもし?」

ロイヤルは以前、ポーラスターに「お屋敷の図書室を使って、梟の刺青について調べてほしい」と、お願いしたことがありました。

以降、ポーラスターからの連絡は一度もなかったのです。という訳で、坊っちゃんはその後のポーラスターやグリフィンの動向については、何も知りません。


ポーラスター「あ、もしもし!ロイヤルに頼まれてた調べもの、進展があったから電話したよ!」

前置きなしで、ポーラスター姉さんはそう切り出しました。

ロイヤル「姉さん、携帯電話まだ直ってないのか?屋敷の電話から掛かってくると、びっくりするよ。もしかして親戚の誰かが倒れたんじゃないか、とか思ってさ」

ポーラスター「お屋敷に籠ってたら、直しようがないよ。携帯電話のお店なんて、どこにもないし。それ以前に、森には電波がほとんど来てない」

ロイヤル「あ、そりゃそうだ」

ポーラスター「でしょ?」

と、ポーラスターが言ったとたん、妙な雑音が入りました。

お屋敷に引かれている電話線は正式なものではなく、森にもっとも近い電話局をジャックして無理やり接続しているだけの粗悪品です。

それで、たびたびこういったことが起こりました。

ポーラスター「ロイヤル、聴こえてる?梟の刺青についてわかったことを話すよ?図書室に、その刺青について書かれた古文書があったの。内容は半分以上精霊文字で書かれていて、わたしにはワケがわからなかった」

ポーラスター「でも、グリフィン兄さんにはちゃんと読めたの。暗号になってたらしいけど、それも法則を見つけて解読できたらしい。ここに、グリフィンがメモ用紙に書いた現代語訳があるから、読むね?」

ロイヤル「あっさり言われて頷きそうになったけど、相変わらずグリフィンのやることがとんでもないよな?姉さんも、骨を折ってくれてありがとう!」

ポーラスター「ふふ、わたしは役に立ってないよ。せいぜい、脚立に指を挟んだくらいで」

ロイヤル「は?」

そしてポーラスターは手元のメモを持ち上げ、「梟の紋章」に関する記述を読み上げました。

その刺青が、特殊な軍事魔法の起動装置であったこと。
しかし、詳細は不明であること。
その紋章を背中に彫りこんでいたシムは、ライオネル・トワイライトの妻ただひとりだったことなどを。


ポーラスター「で、グリフィンはライオネルの妻についても、仕事の合間に調べてたらしいの。でも、それについては……それについては?……あぁもう、この文字なんて書いてあるんだろ!グリフィンの字、相変わらずひん曲がって物凄く読みにくいの。わかるでしょ?字が下手っていうのとは違うんだけどさ。これだけは、ほんとうに直してほしい!」

ロイヤル「はは、目に浮かぶよ」

ポーラスター「それについては、手掛かりなし。……って書いてあるみたい。ああ、わたしの携帯電話がちゃんと動いたなら、画像を撮ってロイヤルに送りたいほど凄絶な字。……今回わかったのは、こんなところ。お屋敷のほうは、特に動きはないよ。シャーロッタは治癒の途中だし、グリフィンは働いてる」

ポーラスター「この電話にしたって、ほんとはグリフィンが自分で掛ければよかったかもしれない。だって、じかに解読したグリフィンなら、わたしより詳しく説明できたはずでしょ?……でも兄さんは今【お父さまに呼び出される】という受難の真っ最中だから、わたしが代役だよ」

ロイヤル「ぅわ。同情するよ、その受難」

ポーラスター「うん、そうだね」


(ここで時間の針を戻し、グリフィンが父親に呼び出された時の模様を見てみましょう……)

ポーラスター「グリフィン、お父さまが呼んでる。きっとまた、面白くもないお話があるんだと思う」

グリフィン「……わかった」

ポーラスター「あと、お父さまの部屋に行く時は、襟のついたシャツを着ていったほうがいいよ?お父さまはちゃんと上着を着ていらっしゃったから、グリフィンがフォーマルにキメて行かないと、しつこいお説教モードに入るはず」

グリフィン「そうするつもりだ。ありがとう」

グリフィンは着替えを取りに部屋に戻ろうとしました。が、その前に一度振り返り、おおまじめに言いました。

グリフィン「心配するな。行って頭を撃ち抜かれる、というワケじゃない」

ポーラスター「うん、まぁそうだけど。……兄さん。それあんまり笑えないから」

グリフィン「…………。?」


(再び、時計の針を【現在】に戻します……)

それから、ポーラスターはロイヤルの近況を尋ねました。

ちゃんとごはんを食べているか。
ちゃんとお洗濯をしているか。
何か困ったことはないか。などなど……。

ロイヤル「心配いらないよ。こっちは元気でやってる。今さっき、今日のバイトが終わったところだ」

実のところ、現在不可思議な事件の只中に放り込まれている坊っちゃんは、そんなことは口に出しません。姉弟は明るく当たり障りのないおしゃべりをして、通話は終わりました。

ポーラスター「じゃ、またね。ロイヤル!」

ロイヤル「ああ、また!」


電話を切ったあと、ロイヤルはしばらく手元に目を落として、じっと考え込んでいました。

ロイヤル「……おれが奇妙な事件のなかに居るなんて、姉さんにもグリフィンにも言えないよ。ふたりとも、すぐには帰ってこられないんだし、本当のことを話したところで心配させるだけだ。でも」

彼はそこで言葉を切り、小さなため息をつきました。

ロイヤル「おれ、自分のことについて、気がついたことがあるんだ。グリフィンや姉さんには絶対心配かけたくないと思ってるのに、おれ、今回の【謎】のことをなんでもユキには話してるよなぁ、って。自覚なかったんだけど、おれ、ユキに寄りかかってんのかな?ユキはまだ高校生だし、年下の女の子に頼ってるとしたら、良くないよなぁ……」

うん?
それは……?

それは「寄りかかってる」のとは、少し違う気もしますが……?

お兄さんやお姉さんにも言えないことを打ち明けられる存在が、坊っちゃんの世界に現れたということ。それをもしかしたら、「成長」と呼ぶのかもしれません……。

そして、坊っちゃんはボートを借り、フォレスティーナの居る孤島へと渡りました。「彼女の様子を見てくる」とだけ言って。


久しぶりに訪れた、森の小屋です。
雪が解け、花の季節が始まりつつあります。

坊っちゃんが落ち着いた足取りで、ポーチに上がりました。彼がノックしようとしたちょうどその時、小屋のなかでは……


打ちひしがれるフォレスティーナの姿が。

つづきます……!



今回お借りしたCC・ポーズ

電話機と電話ポーズ
Il clan di MO

フォレスティーナのポーズ
新生まるきぶねスローライフ

他、たくさんのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
すべてのクリエイター様、ビルダー様に、心より感謝しております!
Thanks to all MODS creators and all builders!

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