こんにちはー。

本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
ウィンデンバーグでユキちゃんと再会したロイヤルは、自分たちに降りかかった一連の謎を解明するため「これまでにわかったこと」を整理します。ロイヤルとユキちゃんの前に現れた女性フォレスティーナ(本名:リノ)は、大昔の大魔法使い「ライオネル・トワイライト」の妻ではないか、と推測し、彼女が時を超えて現代にやってきたのでは?と考えるのですが……。

それでは、本日もまいりましょう!




ユキちゃんと再会し、状況を整理して確認したあと……、ディスカッションを切り上げたロイヤルは、アルバイト先のバーに向かいました。

昨夜のフォレスティーナとの戦闘・ストレンジャービルからウィンデンバーグまでの徹夜の移動・多くの謎が残っている現在の状況……。疲れていないと言えばウソになりますが、どんな時も生活は続いてゆくものでした。坊っちゃんはバーの玄関を掃き清め、酒瓶の詰まった木箱を運び、テーブルをぴかぴかに磨きました。

お店の奥には、ぽつんとユキちゃんがすわっていて、ロイヤルが働く様子を見るともなく見ています。

今日は、日曜日。
もともと、ユキちゃんは日曜日にはこのバーで、ダーツをするのが日課でした。でも今日は、ダーツボードの前に立つことはなく、グラスのなかのクリームコーラもなかなか減りません。今朝のロイヤルの話を聞いてから口数は少なく、彼を心配している様子です……。

自分の考えの内側に沈み込んでいくユキちゃんは、ひどく厳しい顔つきでした。
怒っているように見えるほどでしたが、そうではなく、ロイヤルやフォレスティーナ(リノ)のことを考え、自分がどうすればいいのかを考えているのです。


ロイヤル「ユキ、そんな顔するなよ。あんまり思い詰めるなって」

ロイヤルがバーカウンターを拭くのをやめて、ユキちゃんに歩み寄りました。

ユキ「ロイヤル、フォレスティーナを捜そう?

思いきったように、そして強い信念を持って、ユキちゃんがそう言いました。

ロイヤル「…………」

ユキ「ロイヤルが、わたしをフォレスティーナから遠ざけたい気持ちは、わかってるつもりだよ?ロイヤルがわたしを心配してくれるのは、ありがたいと思う。でも、このままじゃダメだよ。わたしも、フォレスティーナを捜したい。彼女と闘うんじゃなくて、ロイヤルもわたしも、彼女が何を考えてるのかを知らなきゃいけないの。フォレスティーナの行動には、理由があるはず。それを彼女の口から、聞かなきゃならないの」

ロイヤル「彼女に、最初からそうするつもりがあれば

ユキちゃんの言葉を遮るように、ロイヤルが口を開きました。

ロイヤル「……彼女に、最初からおれたちに真実を告げるつもりがあれば、今頃、こんな込み入ったことにはなっていなかった。彼女は、わざわざ【言葉を話せないふり】までして、口をつぐんでた。おれが寝込んでる間に、魔法のハーブを飲ませもした。そしてとうとう、おれにナイフを突きつけたんだ」

一度言葉を切り、ロイヤルは奥歯を噛みしめました。
彼が生来持っている純粋さと烈しさが、ここへ来て頭をもたげ始めていました。

ロイヤル「彼女の行動に理由があるっていうのは、確かにその通りだと思う。でも彼女に、その理由を打ち明ける気はないんだ。おれたちを幻惑して、利用して、嘘をついて、何か自分の目的を果たそうとしている。おれの夢のなかで、彼女が【死に向かって歩いてた】のは気になるし、彼女の力になれるものなら、なりたかった。本当にそう願ってた。でも彼女は結局、おれたちの敵だったんだと思う」

ユキ「ロイヤル」

ロイヤル「彼女のことは、かならず捜し出す。でもそれは、和解するためじゃない。彼女の悪意を、倒すためだ。彼女をユキには近づけさせない」

ユキ「ロイヤル、だめ。それじゃだめだよ」

ユキちゃんが立ち上がって手を伸ばした時、ドアチャイムが高らかに鳴って、新しいお客さんが入ってきました。


ロイヤルは目を伏せ、逃れるように身体を引いて、ユキちゃんから離れます。そのまま、お客さんの応対に行ってしまいます。

ユキ「ロイヤル……」

ユキちゃんはつらそうに、自分のTシャツの裾をキュッと握りました。

ユキ「……マスター、お代ここに置きます。ロイヤル、わたし外でトトを見てるね……?」

ロイヤル「ああ……」


ユキちゃんが表に出ると、看板の下で伏せていたトトが顔を上げ、しっぽを振りました。

ユキ「ふふ……。トト、いい子だね。あなたのご主人様のお仕事は、もうちょっとで終わるからね?トトも昨夜は、ロイヤルと山道を歩いたんだよね。眠くない?」

トト(お嬢さん、元気を出してください。わん!)

一方、お店(バー)のなかでは……


今しがたお店に入ってきたお客さんが、カウンターに着いたところでした。

のですが。

あれ……?
見覚えのある、このシム。
なんということでしょう。ティモ・フォーンの年子の姉・都会の魔女ことマル・フォーンです!(久しぶりに顔を見ましたが、いつのまにか【めがねの女の子】になってます!)

マル「…………?」

マルは不思議そうな顔をして振り返り、働いているロイヤルの背中を見つめました。

マル「…………」

暫くそうしていましたが、再び正面を向いて……


マル「フルーティーな炭酸飲料を一杯、お願いします。……マスター、あの男の子は店員さんですか?あそこにいる茶色い髪の、目が大きな男の子。あ、今、暖炉の置物の位置を直してる」

マスター「ロイヤルのことですか?彼は、新しく入ったアルバイトです。働き者ですよ」

マル「そう……」


そして、出会いの時が訪れます。

マル「こんにちは。すこしお話ししてもいいですか?」

ロイヤル「え?あぁ、どうぞ……」

マル「マスターから、あなたのお名前を伺いました。ロイヤルさんと仰るって。……あたしの名前は、マル・フォーン。修業中の魔女です。……ロイヤル、あなた最近、金髪で赤いコートを着た魔法使いに会いませんでしたか?」

ロイヤル「…………?あ。もしかして、モーギンのことか……!?」

マル「あぁ、やっぱり!」

長い髪を振り、マルは溌剌と笑いました。

つづきます!



今回お借りしたポーズ(SSの2枚目、頬杖をつくユキちゃん)
新生まるきぶねスローライフ

他、たくさんのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
すべてのクリエイター様、ビルダー様に心より感謝しております!

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