こんにちはー。

本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
魔力の奪回をめぐるロイヤルとリノ・ミナキ(フォレスティーナ)の争いは、終わりを迎えたようでした。ユキちゃんは、ケガをしたリノに手当てをして、彼女に言います。「一緒に帰ろう、ウィンデンバーグへ……」

それでは、本日もまいりましょう!




ロイヤルとユキちゃんは、リノを連れてバスに乗り、ウィンデンバーグに戻ってきました。その後、森の小屋の前庭で、ぼんやり暇をつぶしていたロイヤルは、ユキちゃんの気配に気づいて立ち上がりました。

ロイヤル「あ、ユキ……。リノの様子、どうだ……?」

ユキ「うん、眠った。とても疲れていたみたい……」


ユキ「……ロイヤルは身体の具合、大丈夫?わたしは魔力を感じ取れないけど、ロイヤルの魔力はほとんど、その……フォレスティーナに取られちゃった、んだよね……?」


ロイヤル「ん……。魔力は確かに、枯渇してる。おれの魔力のほとんどは、今もリノの魔力と混ざったまま、彼女の身の裡(うち)にある。でも、おれのことで言えば……いくらかは、もつんじゃないかな」

ロイヤルは漠然と、こともなげに言いました。


ユキ「……【もつ】?」

ユキちゃんは不安を隠して、ひどく抑えた声で聞き返しました。

ロイヤル「うん。当座は残りの魔力を燃やしてれば、おれのほうは生きていられるんじゃないかと思うんだ。……ありがとう。ユキにはいろんなこと、何もかも気に掛けてもらってる。おれ、支えられてるよ」

ユキ「そんなのは……いいよ」

自分の生命維持の問題について、ロイヤルはきわめて冷静で、他人事と言ってもいいほどの態度でした。彼の頭のなかは今、自身の危機についてではなく、別のことでいっぱいなのです。

ロイヤル「どうしたらいいんだろうな、リノのこと

リノとの争いの際に見せた烈しさが嘘のように、彼の表情は穏やかでした。その声には彼が失っていたはずの、リノへのいたわりが蘇っていました。

ユキ「……うん」

ユキちゃんも既に、ロイヤルと同じことを考え尽くしていたようでした。

ロイヤル「彼女は【自分は死んでいるのではないか】と言った。でも、おれたちは彼女が血を流すのを見た。その身を血が流れているということは、彼女は生きてるってことだ。もし、彼女が元の時代に還る方法があったとして……戦場に戻れば、彼女は今度こそ死ぬんだと思う。現代に伝わる英雄詩が彼女の死を歌ってる以上、それは運命なんだと思う」


ユキ「変えられないの?運命は

願い焦がれるように、ユキちゃんはそう言いました。
ロイヤルは黙って、考えます。

ロイヤル「わからない。ただ、自分で変えられることと、変えられないことがあるんだと思う。どうしようもないことって、やっぱりあるよ」

…………。
…………………。


ロイヤルとユキちゃんは夜になるまで、森の小屋でそうしていました。

「闘いに敗れた」ことを認め、激しく傷ついたリノをひとり残して立ち去ることは、とてもではないが出来なかったのです。気温が低くなってきたので、ユキちゃんは何度も「小屋に入ったらどうか」と、ロイヤルを気遣ってくれました。しかしロイヤルは、庭に居ました。

ロイヤル「あんなふうに争ったんだ。倒すの倒さないの言ってやり合った相手がおなじ屋根の下に居たりしたら、落ち着いて眠れないだろ……?おれが彼女の立場だったら、イヤだから……」

…………。
…………………。


ユキ「ロイヤル?……あ、よかった。寒いところで眠ってるんじゃないかと思ってた。室内(なか)に入って?フォレスティーナが起きたの」

ロイヤル「え?でも……」

ユキ「いいから、入って?ごはんにしよう!」

わだかまりというより気遣いから遠慮するロイヤルに、ユキちゃんはあえて明るく手招きします。


ユキ「ミートローフを作ったの。わたしのおばあちゃん直伝だよ?おばあちゃんは料理を研究していて、レシピブックを出版するほどの腕前だったんだ。わたしはおばあちゃんみたいに上手くは作れないけど、今日は上手に出来たと思う!」


ロイヤル「いつのまに……。あ、でもそういえば、さっき煙突から煙が出てたし、いい匂いもしてた……」

ユキ「うん。まずはごはんを食べて、それからお茶にしよう?それは気休めかもしれないけど……わたしたちはシムだから、食べなければならないでしょ?」

ロイヤル「はは……。そうだな」

リノ「ふ……」

ロイヤルとリノは同時に力が抜けて、それが同時だったことに気づくと、お互いの顔を見ました。ふたりが目を合わせるのは、ストレンジャービルでの争いのあと、これが初めてのことでした。

何かが、わずかに氷解しようとしています……。


リノ「……美味しい

ロイヤル「うん。熱くて柔らかくて美味しい。……あ、トトがヨダレ垂らしてる」


ユキ「あ!トトの分もあるよ?お肉を少し切り分けて、カリフラワーと茹でておいたの。ちょっと待ってて!」


トト(お嬢さん、ありがとうございます。わん!)

からまった問題の糸はほどけないままですが、ほんのひと時、心を温めながら……
つづきます……!



今回のポーズ

SSの4枚目(ユキちゃん)
SSの5枚目(手を組み合わせるユキちゃん)

以上2枚は、
新生まるきぶねスローライフ
よりお借りしました。いつもありがとうございます!

SSの6枚目(頭に手をやるロイヤル)

以上1枚は、
Choud Sims
よりお借りしました。いつもありがとうございます!

尚、SSの3枚目(構えをとるリノ)は、自作ポーズです。



また、ミートローフのカスタムレシピは、
Littlebowbobs Place 様
より 「Grannie's Cookbook」をお借りしております。

クックブックの日本語訳は、
個人的シムズ4日本語化MOD置き場 様
よりお借りしております。

他、多数のMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
すべてのクリエイター様に、心より感謝しております!
Thanks to all MODS/CC creators and all builders!

web拍手 by FC2

にほんブログ村 ゲームブログ ザ・シムズシリーズへ
にほんブログ村

このブログ内を検索

アーカイブ

シム人気投票やってます

QooQ