こんにちはー。

本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
リノ(フォレスティーナ)の身体に意識を取り込まれ、彼女の目で世界を見ることになったロイヤル。ユキちゃんを襲った危険を、リノは魔法の力をもって取り除いてくれました。そして束の間の「リノとの同化」状態は解かれ、ロイヤルは再びひとりの少年として、おうちで目を醒まします……

それでは、本日もまいりましょう!




リノ「ロイヤル?……やはり、居るのですか?

ありがとう、リノ。そう言った少年の声を聞いた気がして、リノはお部屋の隅を振り返りました。しかし、ロイヤルの気配はすぐに消えてしまい、あたりはしんと静まり返りました。

ユキ「フォレスティーナ、ロイヤルがどうかした……?」


不思議そう、というより心配そうな口調で、ユキちゃんが尋ねました。

リノ「……いいえ、なんでもありません」

ユキ「そう……?」

リノの足許には、彼女自身の身体から芽吹く花……ブルーベルに似た、あの【魔の花】が散り敷かれています。


リノ「……とりあえず、ユキ。割れた食器のかけらを片付けましょう。箒は、奥の部屋にあったはず」

ユキ「あ、わたしが取ってくる。フォレスティーナはそこに居て、一歩も動かないで?あなたは裸足だから、破片の散らばる床を歩き回ったら、ケガをしちゃうよ」

リノ「確かに、その通りです。ではユキ、頼めますか。…………!?


とつぜん、彼女は苦しそうに顔を歪めました。手で顔を覆い、床の破片を蹴散らすように駆け出してしまいます。

ユキ「フォレスティーナ!?」

ユキちゃんの驚いた声を無視して、リノはバスルームにとびこみました。ドアに鍵をかけ、鼻のあたりを覆っていた手をどけると……

リノ「……やはり


彼女の肌には、深いひび割れのようなものが現れているのでした。

リノ「…………」

次に、めまいにも似た感覚が襲ってきて、彼女の身体は実体を失いました。


気体めいた半透明になってしまった指先を、彼女は黙ってすり合わせています。そうしていると【自分の身体が、そこにある】という感覚が戻ってきて……

彼女はまもなく、肉体を取り戻しました。


ユキ「フォレスティーナ、どうしたの?具合が悪いの……!?」

ドアの向こうでは、ユキちゃんが心配のあまり、動揺しながら呼びかけています。リノは息を吸い、まったく平静な声を出しました。

リノ「いいえ、驚かせてすみません。睫毛が目に入って痛んだだけです。それも、もう取れました」

ユキ「ほんと?お皿の破片を踏んだりもしてない……?」

リノ「心配いりませんよ」

彼女は鍵を開け、再びユキちゃんの許に戻っていきます。しかし、ドアノブをまわす直前、リノの唇が確かに動きました。

【時が近づいている】

声には出さず、彼女はそう呟いていました……。


一方、その頃。
ストレンジャービルのおうちでは、ロイヤルが困惑していました。


ロイヤルは自分の手を見下ろし、冷たい指先をすり合わせました。ついさっきまで、彼の身体は気体めいた半透明になっていたはずなのに、今ではしっかりと骨も肉も伴っているのです。そして、リノの姿もユキちゃんの姿も、どこにも見当たらないのでした。

ロイヤル「幻を見た訳じゃないよな……?寝てる間に夢を見てて、いつのまにか次の日になってる、なんてこともなさそうだし。……うん、日付は変わってない。【今日】のまんまだ」

デジタル時計に表示されている日付を覗き込んで、ロイヤルはしかつめらしく言いました。狐につままれたような気分でしたが、ロイヤルに訪れた奇妙な出来事が何だったのか、そのヒントのしっぽすら掴むことは出来ません。

とりあえず地下室を出て、おうちの表側にまわると……


ちょうど、郵便屋さんが来ていました。

郵便屋「ロイヤル・バーンウッドさんに、電報です」

ロイヤル「おれに?」

怪訝に思って、ロイヤルは封書を受け取りました。


差出人の名前は……バリー・アームストロング

これは、ロイヤルの父親であるウルハ・エルダーグラスが「陽の当たる世界に紛れ込む」時に使う偽名です。父から便りが届くなど、ロイヤルがグリフィンに連れられてお屋敷をとびだして以来、一度もなかったことです。胸騒ぎがして、ロイヤルは封を切りました。

文面をひと目見た途端、ロイヤルは全身の温度が下がるのを感じました。

【ポーラスター倒れる。連絡乞う】

電報には、ただそれだけが印字されていました。

つづきます……!



今回のポーズは、すべて自作です。
(SSの4枚目・5枚目、リノ)

今回も、たくさんのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
Thanks to all MOD/CC creators and all builders!

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