こんにちはー。

本日は、また「ロイヤルと裸足の魔女編」ですー。
姉・ポーラスターが倒れたとの電報を父から受け取り、実家のお屋敷に連絡しようとするロイヤル。父親への恐怖を心からムリヤリ引きはがし、なんとか電話を掛けてみると……応答したのは、現在ロイヤルが「全力で避け続けている人物」こと、兄のグリフィンでした。激しく動揺しながらも、兄弟の対話が始まります……。

それでは、本日もまいりましょう!




グリフィン「もしもし

その男が電話に出るとは思っていなかったので、ロイヤルは新しいめまいを覚えました。凝り固まった下顎をムリやり動かして、少年はともかく答えました。

ロイヤル「……もしもし、グリフィン。おれだよ」

緊張のあまりロイヤルは、頭蓋骨の中身がドクドクと脈打つのを感じています。

グリフィン「ああ」

グリフィンが、どうということのない口調で答えました。

これまで、ロイヤルに電話を叩き切られたり、着信を拒否されたり……そんな散々な目に遭ったことを忘れたのか、とりたててわだかまりも無い様子です。

グリフィン「そろそろ、おまえから掛かってくる頃だと思ってた」

ロイヤル「じゃあ、やっぱり……!おれ、父さんから電報を受け取ったんだ。姉さんが倒れたって。姉さんは……姉さんの具合は、どうなんだ!?」


前置きも謝罪も投げ出して、ロイヤルは懸命に尋ねました。

グリフィン「あの電報を打ったのは、おれだ

グリフィンが、文脈を無視して告げました。意味が分からず、ロイヤルは語気を強めました。


ロイヤル「は!?何の話だよ、それより今は」

グリフィン「落ち着け。おまえが受け取った、ポーラスターの急病を告げる電報。あれを打ったのは、おれだ。親父の偽名……バリー・アームストロングを装って

ロイヤルの頭のなかが、真っ白になりました。

絶句している弟に、電話の向こうでグリフィンが息を洩らしました。小さく笑ったのか、それともため息か……。もしかしたら、単に【送話器に息が吹きかかっただけ】かもしれません。グリフィンの場合、最後の説が一番ありそうでした。

グリフィン「証拠が必要か?……簡単だ。親父からだとおまえが信じてる、あの電報……その文面を、おれは言える。【ポーラスター倒れる。連絡乞う】」


ロイヤルはテーブルからむしり取るように、電報を掴みました。二度読み直しましたが、グリフィンの暗誦は、完全に正確でした。ロイヤルのめまいが、いっそう激しくなりました。

ロイヤル「……どうして、そんなバカな真似したんだよ!グリフィンが自分の名前で電報を打ったら、おれが受け取らないとでも思ったのか……!?いや、実際そうだったかもしれないけど。……いや、そんなことはいいんだ。ポーラ姉さんは大丈夫な……


グリフィン「ポーラスターは健康だ。彼女が倒れたというのも、おれのウソだ

ロイヤル「…………。え?」

ロイヤルが間の抜けた声を出したのは、まぁ当然の反応です。

グリフィン「すまないとは思ってる。何があってもおれを避け続けるおまえを捕まえるには、この方法しかなかった。……親父の名前で電報が届けば、いくらおまえでも読むだろう。ポーラスターが倒れたと言えば、おまえは自分から屋敷に連絡を入れるだろう。だからおれは、彼女と結託してウソをついた。そして、電話の前で張り込んでた。……証拠が必要か?彼女が無事だという証拠が


淡々と説明している分、グリフィンはなんだかいつにも増して、不遜な感じを漂わせていました。ロイヤルは、頭を抱えて呻きました。

ロイヤル「……どうして、こんな込み入ったウソを」

考えてみれば、急に【ポーラスターが病気だ】という知らせが届くのは、それこそ文脈を無視しているというか、あまりに不自然なことでした。取り乱した自分が恥ずかしくなり、ロイヤルはおでこを手でこすりました。

率直に言って、腹が立ちます。ロイヤルは携帯電話を耳から離し、感情に任せて通話を終わらせようとしました。その瞬間、グリフィンが強い声を出しました。

グリフィン「切るな


ロイヤル「……ッ!」

ロイヤルの動きが止まりました。彼の意志に反して、携帯電話を握った手が、グイと耳もとに引き戻されます。

グリフィンの声は【帯電したかのように】重い魔力を帯びていて、その魔力がロイヤルの動きを封じ込めたのです。いや、もしかしたらそうではなく、ただグリフィンの気迫に射すくめられただけかもしれません。

ロイヤルの胸に敗北感と屈辱、そして不思議な安堵が広がりました。

ロイヤル(ああ、これでこそグリフィンだ。オオカミみたいに、鋭くて強い。おれはどうしたって、グリフィンには敵わない


電話の向こうに、兄の真剣な眼差しが見えるような気がします。意外なほど静かな声で、祈るように、グリフィンはこう続けました。

グリフィン「ロイヤル、おまえの話をしろ。そのために、おれはおまえを捕まえた。おれが居ない間に何がおまえを襲ったのか、そのことを話すんだ」

つづきます……!



今回のポーズ

SSの6枚目のうち、ポーラスターのポーズ

以上のポーズは、
A-luckeyday 様
よりお借りしました。

他のポーズ(SS6枚目の、グリフィンのポーズを含む)は、すべて自作です。

今回も、たくさんのMOD・CC・ギャラリー作品のお世話になりました。
Thanks to all MOD/CC creators and all builders!

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