こんにちはー。
電子レンジでの加熱時間が足りなくて、ブロッコリーがガリガリしていたプレイヤーこと管理人つまり私でございます。加熱余熱に再加熱。お変わりございませんか?

今回も「お母さんを捜す若者」こと、ガレくん編です。フォーゴトン・ホロウの廃墟となったバーで、ついに母フェリシアナの手がかりを見つけたガレ。そして彼を見守るソニア。フェリシアナは病に冒されながらも、今は亡きヴァンパイアの愛を受けていたことがわかったのですが……?

(これまでのストーリーの流れは「★ガレ編」のラベルからどうぞ!)

それでは、今回はSS少なめ記事も短めですが……
本日も、まいりましょう!




ガレ「母は、この店のあるじだったヴァンパイアに愛されてた……。とても傷つきやすい女性だったけど、母はここで、幸せだったんだ……」

ソニア「うん……」

ガレはそのまま言葉を失い、ソニアから顔をそむけて、目元を手の甲で払いました。

ガレ「……母がおれの知らない男の元で暮らしてるかもしれないことは、とっくに予想出来てました。また男に捨てられて、この世の終わりのように泣いてるんじゃないかと思ってた。でも、違った。母を愛したヴァンパイアが、彼女を光の世界に還そうとしてくれてたなんて。母と暮らした男の話を知って、こんな穏やかな気持ちになるなんて思ってませんでした」

ソニア「うん」


ガレ「ただ……」

ガレはそこで言葉を切り、物思いに沈んでいきました。彼の意識が再び浮上するまで、ソニアは黙って待っていました。

ガレ「ただ、それでもやっぱり思うのは……母はこのフォーゴトン・ホロウの生活の中で、病院に居たおれを思い出したことはないのかな、ということです。まあ、母がやすらかな暮らしを送れたなら、なにかそれで十分だという気もするけれど」

答えの代わりに、ソニアはガレの背中に手を触れました。

ソニア「……わたしもいつか、おなじことを思ったな」

ガレ「?」


ソニア「お母様がお父様とお別れした時、わたしもガレくんとおなじように思った。ミナキ家のフリーダ母さまじゃなくて、わたしを産んだ実家のお母様のことね?お母様がお屋敷の束縛を嫌って旅に出てしまった日から暫く、わたしはずっと泣いてたの。お母様には幸せになってほしかったけど、それならどうして一緒に連れて行ってくれないのって、何度も思った。でもわたしには、あおちゃん(エヴァーブルー)が居てくれた。ハンナちゃんやコハクちゃんとも、姉妹になることができた。今、ガレくんの優しい心が本当は締めつけられていることが、わたしにはわかる。でもガレくんにも、わたしたちが居るから。ずっと、隣に居るから」

ガレ「うん……」

静かに、けれど一生懸命に言うソニアは、ガレが手を持ちあげれば届くほどの近さまで身を乗り出していました。ガレは目を細め、ためらいがちに指を伸ばして、ソニアの頬を包むサイドの髪に触れました。ソニアは長いまつ毛を伏せて、小さな声で言いました。

ソニア「……ガレくんが嫌でなければ、ギュッとしてもいい?」


ガレは黙ってソニアの抱擁を受け、そっと彼女の背中に手を置きました。

その時ふたりの背後で、石畳を踏む硬い音がしました。とたんにソニアの顔が真っ赤になり、彼女はぱっとガレから離れました。

ソニア「誰……!?」


ソニア「え……?ガーゴイル像……が、動いてるの……?」

ガタゴトギシギシと軋みを立てながらふたりに向かって歩いてくるのは、一体のガーゴイル像でした。なにか、不思議なチカラで命を吹き込まれているようです。

ガーゴイル「そこに居るのは、ガレ・コンテスティですね?フェリシアナとおなじブラッドの匂いを感じます」

ガレ「…………!!そうです」

ガーゴイル「わたしは、我があるじリジル・タルが生み出した自働記憶装置。我があるじの伝言を預かっております。再生開始。『ガレ・コンテスティよ、よく来てくれた。生きてきみの顔を見ることができないのは残念だが、わたしの庭はきみを歓迎する。フェリシアナを捜しているなら、ニュークレストへ向かえ。彼女はあの街で入院しているはずだ。フェリシアナの息子よ、彼女のきみへの愛情を疑う必要はない。心からの親愛を込めて、リジル』……伝言は以上となります」

像はひと息にそう言うと、ガタリと音を立てて傾き、それきり動かなくなりました。ガレとソニアは顔を見合わせ、ガーゴイルの顔にふれて感謝を伝えました。


ガレ「ソニアお嬢様、おれはニュークレストに行ってきます」

ソニア「わたしも一緒に行くよ?勿論、ガレくんが嫌じゃなかったら、だけど……。どんな時も、ガレくんを独りにはしたくないから」

つづきます!

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