世界でいちばん最後のドア

2022年6月26日日曜日

★グリフィンと欠落の姉妹編

t f B! P L
こんにちはー。

本日は、また【グリフィンと欠落の姉妹編】ですー。

いやはや、プレイヤーがお話の下書きをなかなか進めなかったり、ウェアウルフパックに夢中になってたり(たのしかった!オオカミだいすき!)しておりましたが、ようやくの更新でございます。

このシリーズも、残り数回となりました。あいかわらず亀の歩みのお話で恐縮ですが、もしお気が向かれましたら、グリフィンやイナの行く先を一緒に見守っていただけたら、とても嬉しいです(平伏)

また、今回も場面が非常に長いです。
スクロールするのも読むのも非常にめんどくさいと思います。申し訳ないです(重ねて平伏)

……それでは、本日もまいりましょう!



ムーア「イナ・ポートランドはまもなく、西部の【D-4】施設に身柄を移送される。面会をとりつけるならうまくやれ。別れの時を逃すな

メルヴィル・ムーアのもたらした情報は、グリフィンのかねてからの危惧が現実のものになったことを教えていました。

グリフィンは【逃亡を企てたイナが、より苛酷な警備のもとに置かれるようになること】それによって【彼女が生涯にわたって自由を失うこと】を危ぶんでいたのです。

これは大げさな心配ではない。
と、グリフィン自身は考えていました。


グリフィンの行動は早かった。

ムーアと別れたあと、グリフィンは会議室にもどって午後五時まで証言を続け、そのなかで率直に切り出しました。「イナ・ポートランドと話をさせてほしい」と。

マルボロ「きみが彼女を案じていることはわかっている。だが、話してどうするというのだね」

ずらりと居並ぶ監督者の目にさらされながら、マルボロ少尉が冷然と言いました。

グリフィンがどのように言葉を用いてマルボロ少尉を、また監督者の一団を説得したのか。

答えは非常に簡単で、彼はこう言いました。

グリフィン「謎の白い扉から現れた【敵】とは別に、イナ・ポートランドをそそのかした人物がいる


グリフィン「その者について、イナ本人から情報を得たい。イナとこの話をするなら、おれが適任だ。イナをそそのかした人物をおれは目撃したから、状況について適切な質問ができる」

方便というわけでもありませんでした。

グリフィンは、イナとその話をする必要があると感じていた。

しかし本当のことをいえば、そんな問題は二の次で、とにかくイナと面会し、彼女の無事を確認したかった。そして、自分のなすべきことをなしたかった。いまや、必要なカードは揃っている。事態の流れを変える最初で最後の一石が、この面会であるならば。

ハウラ大佐「いいだろう」

それまで何があっても口を挟まず、マルボロ少尉に任せていたハウラ大佐が言いました。


ハウラ「スノウフイール。きみがイナ・ポートランドに面会するべきだと考える。面会の際は、別室からマルボロ少尉がモニター越しに監督する」

ハウラ大佐は、この施設の現場責任者です。彼女には決める権限がある。

大佐はそこで言葉を切り、この尋問に立ち会っている監督者……中央から派遣されている調査委員会の面々を振り返りました。

ハウラ「わたしとしてはそれで充分だと判断しますが、いかがですかな?」



グリフィンはふたたび廊下を進み、階段を下り、いくつもの重い扉を抜けて、機密区画にやってきました。以前、イナを見舞って訪れたのとは別の区画です。

そして、【案内役】という名の監視役……四人の警備兵に取り囲まれていることも、以前とはハッキリと違っていました。


警備兵「この部屋だ。【7777号室】。入室する前に身体検査を」

検査なら五分前にしたばかりでしたが、グリフィンはそんなことは言いませんでした。彼は腕を上げたり下ろしたりして全身を調べつくされ、【武器・逃亡の手段として使える道具】をいっさい持っていないと判断されました。

そして事実、彼は何も持っていませんでした。ドラッグストアのポイントカード一枚でさえ。


警備兵「よかろう。制限時間は十五分だ」

警備兵たちは扉をはさんで右側に二名、左側に二名というかたちで並びました。入室を許されているのは、グリフィンひとりです。



何もない、白い部屋の中心に、イナはひとりですわっていました。

グリフィンを見ると、彼女の顔に驚きが浮かび、次いで目許に赤みが差しました。彼女は、安堵しているのでしょうか?


グリフィンのほうも、安堵する自分を感じていました。いつからこの部屋に留め置かれているのか知らないが、イナ・ポートランドは血色がよく、痩せた様子もありませんでした。

イナ「……びっくりした」

グリフィン「?」

イナ「そんなにキョトンとしないでよ。あんた、あの朝大ケガをしたでしょ?忘れちゃったワケじゃないよね?しばらくはあんた、ベッドから動けないだろうって思ってた。あんたが来るとは聞いてたけど、ストレッチャーかなんかで運ばれてくるのかと思いこんでた。自分でスタスタ歩いてくるなんて思わなかったんだよ」


イナの口ぶりで、彼女の心配がどれほど深いものだったかを知りました。

【おれが目を醒ました時、すべてのキズがみるみる消えて行った】などと本当のことを言えば、その異様さで彼女に別の心配をさせるでしょう。そこで、グリフィンはこれだけ言いました。

グリフィン「治った」

イナ「そうらしいね。この目で見ても、にわかには信じられないんだけど。……でも、あんたが元気になったならよかった。あ、あんたが治らなかったらあたしの責任が重くなっちゃうから治ってよかったとか、そういう意味じゃないんだよ?」

グリフィンは、彼をよく知る人でなければ読み取れないほどかすかにほほえみました。


グリフィン「知ってる」

グリフィンはまず、体調はどうか、何か不便はないか、というようなことを尋ねました。

イナは、問題はないと答えました。


グリフィンは次に、ハウラ大佐と約束していた【あの質問】をしました。

つまり【あの夜、イナをパティオまで連れ出した例の女が、どのようにして警備の厳しい病室から抜け出す手はずを整えたのか】という話です。


イナがどのようにして病室から脱出したか。

その一部始終は、あの不思議な真夜中に読者諸姉諸兄がご覧になったとおりです。

しかし、ここに奇妙な事実があります。グリフィンにその質問をされるまで、イナは自分を連れ出したあの女……最初は男の姿をしていて、やがて女に姿を変えたあの人物……のことをすっかり忘れていた。顔かたちも、きれいさっぱり。

イナは、なぜ忘れていたのかと驚いた。そこでできる限り思い出し、正確に話そうと努力しました。

グリフィン「わかった。ありがとう」

グリフィンは頷きながら【イナが視(み)た光景は、はたして現実のものだったのだろうか】と考えていました。

いまグリフィンとイナが話している内容は、監視カメラによって記録され、モニターの向こうでマルボロ少尉も聴いています。


あとで映像を確認し、この会話をすみずみまで検証したほうがいい。グリフィンはそう結論づけました。

グリフィン「もうひとつ、あなたに訊きたかったことがある。面会時間が終わる前に」

イナ「うん。……何?」

グリフィン「あの時」

と、グリフィンは過去を見定める瞳で言いました。


グリフィン「騒ぎが収まり、パティオに施設の者たちが駆けつけて、あなたが連れ戻されようとした時……あなたはおれに、何か言い残そうとした」


グリフィン「あなたは、何を言いたかった?」

イナの瞳が急速に、色濃い光を取り戻してゆきました。

彼女の頬は、いまやバラ色に燃えはじめた。思いがけず彼女に宿った輝きを見つめながら、グリフィンは彼女の話を待っていました……。


つづきます!


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